江東区の歯医者「青木歯科医院」は、生きがい支援型歯科医療を提供します
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キシリトールの有効活用について
[予防歯科]
江東区大島 青木歯科医院
Tel 03(3681)8557
虫歯の成り立ちから、キシリトールによる虫歯予防についてまとめてみました。
図1は、う蝕(むし歯)のできる要素について書かれたものです。それぞれ4つの輪にある要素が重なったところにむし歯ができる訳です。各要素について説明します。
歯質・・・歯は、お口の中に生えて暫くは、硬そうに見えてもエナメル質表面の結晶が緻密化していないため、乳歯では1年~2年、永久歯では1年半~2年半くらいかけて歯が飲食の度に溶けては元に戻る(再石灰化)を繰り返して硬くなって行きます。歯質を強化するためには、再石灰化する際にフッ素を取り入れてあげることです。歯磨剤にフッ素が入っているのはこのためです。
細菌・・・虫歯は歯に細菌が感染することによって起こります。歯ブラシが大切なのはほとんどの方がご存知ですよね?しかし歯ブラシは食べカスを落とすものと思っている方も多いようですが、食べカスは口をゆすげばほとんど落ちてしまいます。大事なのは細菌の絶対数を減らすことです。
細菌は不溶性グルカンと呼ばれる(ちょうどお風呂や配水管のヌメリのようなもの)物質で歯に強固に付着しています。咬む面の細かい溝や、歯と歯の間、歯と歯肉の境目には細菌が残りやすいのでこれらの部位をしっかり磨くことが大切です。細菌は母子感染やスプーンやお箸を介して伝搬するとも言われていますので、共用はやめましょう。
糖分・・・虫歯は細菌感染によって起こることはお話ししましたが、細菌は何をエサに生きているかご存知ですか?むし歯を作るストレプトコッカス・ミュータンスという細菌は砂糖をエサにして酸を産生します。
この酸が歯を溶かすことでむし歯が起こります。次にラクトバチラス菌や様々な菌は乳糖や果糖などの糖を利用して段々むし歯を深くしてゆきます。ですから砂糖をたくさん摂る人はむし歯菌にたくさんエサを与えていることと同じになる訳です。
キシリトールは、砂糖と同じくらいの甘みがありますが、砂糖とは科学的な組成が違うため、細菌が酸を作ることができません。=虫歯にならない訳です。
また、キシリトールには歯に害を及ぼす細菌を減少させて比較的害を及ぼさない細菌に置き換える作用も報告されており、3か月摂取を続けると、9割が害を及ぼさない細菌になるといわれています。最近は種々の食品にキシリトールが含有されていますが、含有率が50%以上のものでないと虫歯予防効果は期待できないといわれています。(※キシリトールは摂取量が多いとお腹がゆるくなることがありますので、量を調節してください。)
時間・・・次に時間とむし歯の関係についてお話しましょう。図2はステファンカーブと呼ばれている飲食後の唾液のペーハー(酸性かアルカリ性か)の変化と歯の脱灰・再石灰化の様子を時間の経過で表わしたものです。
飲食前はヒトの唾液は中性(酸性でもなくアルカリ性でもない)付近にありますが、飲食後間もなく酸性に傾きます。唾液が酸性になると歯の中からミネラル(カルシウムやリン)が放出されます。
このことを脱灰(だっかい)と呼び、歯が溶けている状態になります。
(図の赤い部分)しかし、ずっと歯は溶かされっぱなしになっている訳ではなく、唾液の緩衝能(元に戻ろうとする力)によって再び飲食後40分くらいかけて中性へ戻って行きます。
このときに唾液の中に溶け出ていたミネラルが歯の中に取り込まれる事を再石灰化(さいせっかいか)と呼びます。こうして歯は元の状態に戻ります。
しかし、頻繁にダラダラ食べを続けたり、四六時中飲み物を口にしていたりすると先ほどお話した脱灰状態がずっと続いて歯が溶かされっぱなしで元の状態に戻ることができず虫歯になりやすくなってしまうのです。
逆に歯が再石灰化をするときに歯磨剤のフッ素を上手に使ってあげることで歯にフッ素が取り込まれると、エナメル質の結晶がフルオロアパタイトといって非常に酸に強い構造になることも分かっています。
※フッ素は正しく使用しないと特に乳幼児では摂取量が多いと体に害になることも分かっていますので、詳しくは歯科医師にご相談ください。
p Date:2008年09月03日(水) by 管理者